REPORT
2026.03.24

SAPPORO CO-CREATIONフォーラム 2026
~企業と自治体の共創による事業開発・社会課題解決を考える~」開催レポート

SAPPORO CO-CREATIONフォーラム2026 企業と自治体の共創による事業開発・社会課題解決を考える 開催レポートのメインビジュアル

2026年2月6日、官民の共創を通じた新たな事業創出をテーマにした「SAPPORO CO-CREATIONフォーラム 2026」を開催いたしました。市内外から様々な企業の方々にお集まりいただき、札幌市および江別市・小樽市(さっぽろ連携中枢都市圏)が抱える社会課題の解決と、企業のビジネス成長を同時に実現する「共創」の可能性について、専門家の講演やグループワークを実施しました。本レポートでは、その概要をお伝えします。


フォーラム概要

タイトル
SAPPORO CO-CREATIONフォーラム 2026
~企業と自治体の共創による事業開発・社会課題解決を考える~
主催
札幌市・合同会社デロイト トーマツ
協力:江別市・小樽市
日時
2026年2月6日(金)15:00~18:30
会場
Sapporo Social Innovation Hub(デロイト トーマツ札幌オフィス)

アジェンダ

  • 1. 【開会挨拶】SAPPORO CO-CREATION GATEの取組と札幌市の官民共創の現状ご報告
  • 2. 【基調講演】事業開発 × 共創へのチャレンジ(株式会社ソーシャル・エックス 代表取締役 伊藤大貴 氏)
  • 3. 【グループワーク】新事業アイデア創出ワーク

【開会挨拶】SAPPORO CO-CREATION GATEの取組と札幌市の官民共創の現状ご報告

スクリーンに投影されたスライドの様子

登壇者

札幌市 まちづくり政策局 政策企画部 公民・広域連携推進室長 玉井 和史 氏
合同会社デロイト トーマツ シニアマネジャー 小田 剛 氏

フォーラム冒頭では、札幌市 玉井氏より官民連携窓口「SAPPORO CO-CREATION GATE (以下SCG) 」のこれまでの活動状況や、現在進行中のプロジェクトについて報告を行いました。
社会課題がますます複雑化する中で、行政と民間が対等なパートナーとなり、アイデアや技術を持ち寄る官民共創の重要性を強調しました。2024年7月のSCG開設以来、約70件の連携プロジェクトが誕生し、地域課題の解決や企業成長に寄与してきた現状を紹介しました。
また、SCGでは、今年度からさっぽろ連携中枢都市圏の自治体と連携し、広域的な課題解決にも取り組んでいるほか、最新技術を活用した除雪や交通をはじめとする実証実験、連携協定の締結など、多様な連携が進行中であることも報告。札幌市の官民連携が仕組みや制度だけでなく、ビジネスチャンスとして市内外の多くの民間事業者にも広がっている現状を共有しました。

続いて、合同会社デロイト トーマツ 小田氏より、本窓口の運営支援業務を受託し、伴走支援をサポートする立場から、これまでのSCGの歩みによる、地域内の官民連携の機運が着実に高まっているという実感を、「民」の視点から共有しました。

【基調講演】事業開発 × 共創へのチャレンジ

スクリーンに投影された「事業開発×共創へのチャレンジ」と伊藤氏

登壇者

株式会社ソーシャル・エックス 代表取締役 伊藤大貴 氏

基調講演では、株式会社ソーシャル・エックスの伊藤大貴氏より、官と民が共に社会課題の現場から事業を生み、社会実装・拡大へとつなげる道筋についてお話しいただきました。あわせて、共創の動きを加速させるうえで持つべきマインドセットや考え方等、事業創造・人材育成・機運醸成につながる多くの示唆が語られました。

「リアルな社会課題から事業を創出、社会実装につなげ、持続可能な社会を実現する」というビジョンのもと、官民共創事業の構想から事業化・成長、そして社会実装および事業拡大を一貫して支援する伊藤氏は、まず日本社会の動向について言及。
経済産業政策のミッション志向への転換(政府もリスクを負い、失敗から学ぶ事後評価重視する考え方)を背景に、改めて自治体が事業創出のハブとなることの重要性を提示。また、コロナ禍を契機に進化したオープンイノベーション2.0の潮流について触れ、行政が持つデータ・フィールド・ステークホルダー調整等の強みが、民間の得意領域と補完し合う役割にあることを強調されました。

スクリーンに投影された「BtoGよりもBtoB、BtoC」と伊藤氏

また、価値観が多様化する社会において、政策環境の変化を捉える重要性に触れ、価格支配力を取り戻すための「ルール形成」の必要性や、その実現に向けた新市場の創造や海外市場の開拓の重要性について示されました。
そして、このような環境下における新規事業の設計において、①顧客への解像度を高めること(誰の困りごとを解決するのか)、②望ましいアウトカムを設定すること、③ステークホルダーを整理すること(隠れた利害関係者はいないか)という3つのステップが重要であると提示し、官民双方が歩み寄りながら事業を創出していくことの必要性が強調されました。

さらに、「BtoGよりもBtoBBtoCに焦点を当てて構想すること」というキーメッセージとともに、地域の困りごとに軸足を置くことでサービスの本質的な価値に気づいたBtoCビジネスにおける共創事例や自治体との協働余地が大きい分野でのBtoBビジネスの共創事例等、実際の支援実績にもとづく多数のケーススタディが紹介されました。

講演を通じ、札幌市の官民連携を今後さらに前進させるためには、社会にとって意味のあるアウトカムを共に設計していくことの重要性が共有され、非常に有意義な時間となりました。

【グループワーク】 新事業アイデア創出ワーク

グループワークの様子。参加者がグループに分かれてテーブルを囲み、アイデア出しをしている引きの画像。

本フォーラムのメインコンテンツとして、参加者と自治体職員が一つのグループとなり、実際の地域課題を題材に官民共創の視点で、新たな事業アイデアを構想するグループワークを実施しました。
札幌市、江別市、小樽市から提示された特定の地域課題に対し、各社が持ち寄れるリソースや強みを掛け合わせ、解決策を練り上げるディスカッションを行いました。単なるアイデア出しや行政への要望にとどまらないよう、自社のリソースや強みを客観的に見つめながら解決すべき課題を多面的に捉えること、そして官民双方のメリットを考えながら新事業を考えることに焦点を当て、ワークシートを用いて事業アイデアを整理しました。

グループワークの様子。参加者がグループに分かれてテーブルを囲み、アイデア出しをしている寄りの画像。
新事業アイデア創出ワークシートに様々な付箋が貼られている様子。
グループワークの様子。別角度の画像。

初対面の参加者も多い中、「自社の技術を活かせば実現できるのでは?」「御社と弊社でコラボレーションすれば解決に近づけるのでは?」といった活発な意見交換が行われました。
その後、各グループより、限られた時間の中で練り上げられた事業構想が発表され、それに対して伊藤氏から講評や示唆をいただき、参加者の視座が一段引き上げられる場面も見られました。
プログラム終了後の交流会においても、引き続き共創事業に関して参加者同士の意見交換や積極的なやりとりが見られました。

フォーラムを終えて

今回のフォーラムでは、官民のインタラクティブな交流を通じて、様々な立場の参加者が共通のテーマについて共に考え、議論を深める場を創出することができました。参加者アンケートでも約8割の方が満足と回答し、基調講演やグループワークを通じて共創のあり方への理解が深まったといった前向きな意見が数多く寄せられました。本フォーラムで得られた学びやネットワークが、新たな共創プロジェクトの創出へと広がっていくことを期待しています。
今後も多くの民間事業者の方々や近隣自治体とも連携を強化しながら、札幌市はSAPPORO CO-CREATION GATEをさらに発展させてまいります。