REPORT
2025.1.10

Hokkaido Open Platform(HOP)事務局 チームリーダー 河井潤様

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Hokkaido Open Platform(HOP) 事務局 チームリーダー河井 潤 様

【河井様プロフィール】
HOP(Hokkaido Open Platform)運営事務局 チームリーダー
大学卒業後、NTT東日本に入社。2021年より北海道エリアに配属。 産学官の連携による地域共創、地域コミュニティ形成に向けた業務に従事。 2023年6月にHOP(Hokkaido Open Platform)を関係機関5者で組成し、北海道の持続的な経済発展に向けた環境構築を目指す。 HOPで定期的に展開される共創イベントを通じて、道内外のさまざまなプレイヤーの共創のきっかけづくりに携わる。 2024年度は北海道庁と連携し、道内179市町村とスタートアップ企業等とのマッチングを促進・支援することで、道内の地域課題解決に向けた事業を展開。

Hokkaido Open Platform(以下HOP)設立の背景やミッションを教えていただけますか。

HOPは、(株)NTT東日本-北海道、北海道電力(株)、(株)北海道銀行、パーソルホールディングス(株)、NoMaps実行委員会が協働運営する地域ビジネスコミュニティです。
単独の企業で自社のサービスの販売先を見つけるという考えではなく、北海道がより発展するためのアイデアや課題を産学官の様々なプレイヤーで共有し、共創により解決するプラットフォームを作りたいという思いをもとに組成しました。
HOP事務局として運営に携わる各機関は、北海道という土地に根差した企業で、ヒト・モノ・カネの側面でインフラ的価値を持続的に提供することを目指しており、北海道全域に対して中長期な目線で産業・地域の活性化を見据えることも大事なミッションだと捉えています。 だからこそ、北海道の持続的な成長は我々にとって大切であり、成長のための種をつくり、フィールドをつくることがHOPのミッションだと考えて活動しています。 目先の利益よりも、長期的な目線でHOPに関与する多くの方に対してベネフィットを生み出し、皆で分かち合いたいと思っています。

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HOPの活動について教えてください。

オンラインコミュニティの運営を通じた情報共有や参加者同士の交流、マッチング支援のほかに、参加者がリアルで交流するイベントも不定期で開催しています。 2カ月に1回ほど開催しているイベントには、毎回100名ほどが参加し、共創のきっかけや新たなヒントを得る交流の場となっています。
また今年度は北海道庁とも連携し、北海道179市町村向け地域課題解決型ピッチイベント「UPDATE179」の運営を行いました。 参加した市町村からは、参加を通じて潜在的な悩みや解決策に気づいたといった好意的な声も寄せられ、イベント終了後も市町村が何に困っているかを丁寧に聞き取るなどのアフターフォローも行っています。 HOPの拡散力を生かし、スタートアップ等の未来技術と市町村が抱える課題とのマッチングを支援しており、地域の社会課題の解決に向けた好事例も生まれつつあります。

HOPにはどのような目的やニーズで参加される方が多いのでしょうか。

HOPのコミュニティには、約900名が参加いただいていますが、会員の約半分がベンチャーや個人の方で、残り半分が大手企業や行政の方です。 個人や少人数で事業を行っている人は、自分たちだけで自らの事業を磨いていくことはなかなか難しいです。 そういう方にとってHOPは似た境遇の人と出会い、相互に気づきを得られる場となっています。 HOP事務局としても交流をしたいと思った人が気軽に入れるような、オープンなコミュニティにしたいと思っています。

民間同士で助け合える部分も大きい一方、行政との連携に求めているものはあるのでしょうか。

道内の市町村に足を運ぶと、人口減少や交通の課題など共通的な課題もある一方で、市町村によって抱えている課題や危機感も様々だと感じています。 今はHOPのほかにも、STARTUP HOKKAIDOなど社会課題の解決を目指す組織やオープンイノベーションのプログラムが札幌や道内に増えてきています。 だから行政には解決したい悩みや課題をもっと発信してほしいし、一方で民間の皆様には『自分たちはこんなことできる』と宣言していってほしいです。 そこを我々のような組織が上手くつないでいく。これこそがこれから課題先進地域と言われる北海道でチャレンジすべきことだと思います。 そのためには、行政と連携し、つなげる立場である我々もそれぞれの市町村の特性や熱量を詳しく知っていかなければいけないと感じています。

イベントの様子画像

今後札幌市の役割についてどう考えているのでしょうか。

札幌市には新しいことにどんどんチャレンジしていただきたいです。 札幌市で何か新しい取組が行われれば、それを前例として他の都市へと波及していくことが期待できます。 大都市ゆえに慎重に判断しなければいけない部分も多いかもしれませんが、波及効果という大都市ゆえのメリットは道内全体へ副次的に寄与するものと思います。
そういう意味ではSAPPORO CO-CREATION GATEでの取組などを通して官民連携を積極的に受け入れていくのは良いことだと思いますし、我々HOPとしても社会課題の解決に向けて連携していければと思います。 札幌市の「STARTUP CITY SAPPORO」が全道域の「STARTUP HOKKAIDO」に拡大していったように、札幌市には道内市町村を牽引していただき、民間主導のHOPとして、北海道庁とも一緒になって札幌から生まれる好事例を全道に広げていきたいと考えています。

 

インタビューを終えて

今回は、北海道の「情報拠点」となるビジネスコミュニティを目指し、HOPを牽引する河井様にお話を伺いました。 SAPPORO CO-CREATION GATEは、道内オープンイノベーションの情報整理と効果的なマッチングを目指す「札幌・北海道オープンイノベーションチーム」にも参画し、HOPをはじめとするチーム参画機関と積極的に共創しながら、札幌北海道の社会課題の解決に取り組んでまいります。

撮影協力/IKEUCHI LAB

 
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