札幌市長秋元 克広
この度、札幌市は、「持続可能な世界都市・さっぽろ」の実現に向け、民間事業者とつながり、新しい事業や共創を生み出すための官民連携窓口「SAPPORO CO-CREATION GATE」を開設しました。この窓口を通じて、民間事業者の皆さまからの提案の受付から、事業化のコーディネートまでをワンストップで行うことで、官民共創による課題解決や新たな価値の創出を目指してまいります。
札幌が直面する社会課題
札幌市は、時代の変化や困難を乗り越えながらも、まちの魅力を高め、いまや人口約197万人を有する、北海道の中心都市、市民愛着度の高い世界都市に発展しました。
一方で、札幌を取り巻く環境は、決して順風満帆とはいえません。
人口は、これまで増加を続けてきたものの数年前から減少に転じ、少子高齢化の進行や生産年齢人口の減少といった重大な課題に直面しています。
また、男女ともに低い健康寿命をはじめ、市民の身近な健康・福祉や暮らし、地域づくりにかかわるもの、さらには我が国全体で直面している気候変動対策や共生社会への対応など、挙げればきりがありません。
官民共創で目指す持続可能なまちづくりの好循環
こうした課題を克服しながら持続可能なまちづくりを進めるためには、既存の枠にとらわれないアイデアやノウハウを持つ、民間事業者との連携・協働の取組により課題を解決し、新たな価値を創出していくことが重要となります。
これまでも札幌市で様々な官民連携の事例はありましたが、どちらかというと、行政が単独であらかじめ事業の詳細を設定するような「行政主導の官民連携」が多く行われてきました。昨今、企業活動において社会課題解決の機運が高まっていることに加え、国や自治体レベルでも、官民が対話を通じ、双方が持つアイデアや知見・技術などの資源を持ち寄り、互いにメリットを生み出しながら、課題の解決を目指す、
「官民共創による官民連携」を推進する動きが活発化してきています。
窓口の開設をきっかけに、新たな共創を生み出す扉を開き、官民連携を加速させることで、質の高い市民サービスの提供、新たな事業機会の創出、地域経済の活性化を実現させ、さらに豊かで魅力的な札幌が築き上げられていく好循環を実現していきたいと考えています。
「世界都市・さっぽろ」との共創で新たな価値の創出を目指しませんか
私たちが対処しなければいけない課題は先ほど申し上げたとおり数多くありますが、一方で、国内外からの観光需要の回復や、都心部の再開発の進展、道内における次世代半導体製造拠点をはじめとするデジタル産業やスタートアップの集積などが進みつつあります。さらには、北海道・札幌が日本の再生可能エネルギー供給基地、そして、世界中からGX(グリーントランスフォーメーション)に関する資金・人材・情報が集積する、アジア・世界の「金融センター」を目指す中で、本年6月に北海道・札幌市が「金融・資産運用特区」に、北海道が「国家戦略特区」に指定されるなど、今、札幌は大きな転換点を迎えています。
札幌には、先人たちの努力により築き上げてきた、まちの魅力やブランド力、市民のふるさとへの愛着、世界でも類を見ない豪雪大都市といった様々な強みや特徴があります。
「世界都市・さっぽろ」が持つポテンシャルやブランド、フィールドを存分に活用いただき、次世代に誇れる札幌を未来につなぐため、ぜひ民間事業者の皆さまと力を合わせて新しい価値を生み出していきたいと考えています。
「持続可能な世界都市・さっぽろ」の実現を目指し、私たち札幌市と共に取り組みませんか。皆さまからのご提案を心よりお待ちしております。