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健康・福祉・教育・子ども
No.43

医療通訳の需要増に対応するための持続可能な仕組みづくり

募集期間:募集を終了しました

課題

札幌市では、予約・問い合わせ支援、通院時の通訳、同行通訳の派遣調整を一体的に担う医療通訳コールセンター「メディカルコミュニケーションホットライン」を運営しているが、以下2点の課題を抱えている。

  • 【課題①】
    外国籍市民や外国人観光客の増加による利用件数拡大に伴う、札幌市の費用負担の増加。
  • 【課題②】
    同行通訳を担う医療通訳ボランティアの人材不足

課題の背景

2020年度に病院の登録制で事業を試行実施したものの、利用が伸びず、制度を見直した。現在は、医療機関の制限がなく、患者(観光客含む)と医療機関の双方が無料で利用できるため、サービスの利便性は大幅に高まった。その結果、利用件数は急増し、医療通訳への強い需要が確認できた一方で、現在の運営体制では事業の持続性が危ぶまれている。
また、高い専門性を要する医療通訳ボランティアについては、人材不足が深刻な状況である。

課題の現状

  • 【課題①】について
    当サービスの利用件数増加は、札幌市の財政負担を増大させるが、利用者への費用負担を求めることは困難と考えている。なぜならば、札幌市が居住先として外国人に選ばれ、定着してもらうための重要な環境整備と位置付けており、そのための必要経費として考えているためである。医療通訳は、暮らしやすい環境における重要なインフラの一つであり、外国籍市民も日本人市民と同様に公平なサービスを受けられるべきだという考えに基づく。また、言葉の壁がなくなることで、外国人患者の円滑な受診が可能となるほか、医療機関で働く医療スタッフの業務負担も軽減され、その結果受診回転率が上がり、日本人患者の待ち時間が減るなど、すべての患者がスムーズに医療サービスを利用できる環境作りにつながると考える。これらのメリットを勘案し、この事業に継続的に取り組んでいく方針である。
  • 【課題②】について
    同行通訳の人材不足に対応し、高度に専門的な医療通訳を安定的に提供するためには、ICT等を活用した仕組みの構築が不可欠である。
    しかし、札幌市の課題を解決できると想定している以下のサービスを、現状提供している事業者は本市の知る限り見られない。そのため、システムの開発が必要と考えている。
    • 患者の端末を通じて、どの医療機関でも利用できること
    • 機械翻訳、電話通訳、映像通訳の3種類を用意し、利用者が状況に応じて選択できること
    • 利用登録がなくてもすぐに利用可能であること
      (例:Webフォームからの申し込みに対し、一時的なアカウントやURLを即時に発行)
  • 実現したい未来

    AIを活用した機械翻訳や、医療通訳事業者による映像通訳を導入することで、サービスの効率化と持続可能性を高め、増大する医療通訳需要に安定的に応え続ける。この取り組みを通じて、言語や国籍に関係なく、誰もが必要なときに安心して医療を受けられる環境を実現し、言語の壁によって生じる医療格差を解消する。

    募集概要

    希望する提案の募集期間 2025.09.16〜2025.09.30
    官民連携に期待する事項 医療通訳の実績を持つ民間事業者のノウハウを活用し、当事業の持続可能な再構築に向けたスキームの提案とシステム開発。
    各部署が想定する解決策の例
    • 患者や医療機関へ費用負担を求めるのではなく、医療用語に特化したAIによる機械翻訳などを導入して人件費を抑制することで、持続可能性を高める
    • 医療通訳事業者による映像通訳を導入することで、医療通訳ボランティアに依存している同行通訳を補完する仕組みを構築
    各部署が想定する
    民間事業者へのメリット
    • 自治体向けシステムの開発に向けた実フィールドの提供
    • 札幌市における当スキームの本格展開に向けたビジネス機会
    • 他自治体へのビジネス展開に向けた実績作り
    各部署が
    提供できるリソース等
    • 当該事業担当部門(国際課)の職員の協力
    • 関係団体との調整
    提案事業者に求める専門性
    • 医療通訳経験がある専門員を複数名雇用している
    • 24時間医療通訳サービスを提供可能
    • 対応言語は英語・中国語・韓国語を含む15言語以上
    検討経過・これまでに
    実現したことのある施策
    • 2020年度~医療機関登録制(期間限定)
    • 2022年度~全医療機関利用可(期間限定)
    • 2024年度~全医療機関利用可(通年化)
    想定する事業実施時期 2026年度からシステム開発開始、終了次第試行実施
    提案の選定方法 審査による選定等を実施
    (提案内容等を審査・選定し、採用数を絞り込む)
    予算措置の可能性 提案内容によって予算措置の可能性有
    募集対象の提案内容 官民連携の提案及び連携事業者の募集
    (テーマに関する官民連携の提案・アイデア及び連携事業者の両者を募集)
    備考/その他参考情報
    担当課 総務局 国際部 国際課
    担当部署の事業の概要 多文化共生の推進(外国籍市民の生活相談、日本語学習支援、医療受診サポートなど)
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