代表インタビュー

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ゼロスペック株式会社 上場支援コース集中支援実施中!
代表取締役社長 CEO 多田 満朗
日々蓄積されていくデータを
生かせるシステムを構築し、
より豊かで幸せな未来をつくる。

COMPANY PROFILE

北海道の冬の暮らしを支える灯油の配送DX「GoNOW」の開発・運用で、今注目されるスタートアップ企業です。

2015年の起業から10年を経た今、全国41都道府県の300社で運用。

現代社会が抱える人手不足や二酸化炭素削減などの問題解決策の一つになると、道内外で高く評価されています。2019年には、総務省の「ICT地域活性化大賞」の総務大臣賞も受賞しています。

積み重ねられた数字から、未来へつながるモノづくりを

アメリカの大学でコンピュータインフォメーションシステム(CIS)を学び、帰国後は、広告代理店での勤務を経て、大手製造小売業のグループ企業に転籍し、数字に基づいてビジネスを展開する難しさと醍醐味を知りました。そして、データを生かしながらゼロからモノを生み出す事業に挑戦してみたいと考え、2015年に東京都で起業しました。

「ゼロスペック」という社名は、0から新しい価値を考え続け、柔軟に進化し続ける意志が込められています。

起業当初は、バイタルデータ活用の予防医学を検討しましたが、故郷北海道の冬の暮らしを支えるライフラインである灯油配送に着目しました。

ライフラインとしての灯油が切れることのないよう、配送側は大雪という過酷な環境下での重労働を余儀なくされています。

一方で、消費量にはばらつきがあるため、無駄な配送が多発していました。さらに、配送員不足や配送車両の燃料費高騰が業界全体の課題となっていたのです。「データを用いてこれを解決する方法はないだろうか」という思いが、今手掛けている「GoNOW」サービス開発の出発点になりました。

札幌拠点から全国へ

「GoNOW」は、遠隔で灯油タンク内の残量を計測できるキャップも兼ねたIoT機器「スマートオイルセンサー」を灯油タンクに取り付け、灯油残量をクラウドに送ることで、離れた場所でもタンク内の残量がリアルタイムで分かるサービスです。灯油残量の見える化によって、給油作業の効率が向上し、現場での労働時間の短縮や配送に関わる様々な無駄が削減されました。

このサービスをBtoBで展開し、すでにある運送網に組み込むことでスムーズな設置が可能になり、配送会社にとっても消費者にとっても手軽に始められ、双方にとって価値のあるシステムとなっています。

私たちはその普及をより進めるため、2019年に灯油の主要消費地である札幌市にビジネス拠点を設けました。ベンチャー支援に力を入れている札幌市や北海道の力強いサポートも、決断の後押しになりました。

札幌拠点であることで、現場の課題をいち早く確認できるメリットがあり、札幌市や北海道のサポートを受けてメディアに取り上げていただいたことで、事業の認知が広がり、問い合わせや受注につながる事例もありました。

現在、札幌のオフィスでは、28歳から60歳まで幅広い年代のスタッフが働いています。事業拡大に向け、5年後には100人規模の人材を雇用し、札幌市の雇用促進にも大きく貢献したいと考えています。より多くの仲間を増やすため、全国各地にサテライトオフィスを展開し、多様な働き方を可能にする構想も描いています。

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スマートオイルセンサー

IPO支援の専門家からの学びと提案、安定した資金調達で夢をカタチに

灯油を使用する地域には確かなニーズがあり、全国での可能性が広がっています。

また、数字に基づいた判断が信頼を生むことで、他業態への展開も始まっています。減るものだけでなく、増えるものにも対応できるセンサー技術は、現場での感覚や慣習に頼っていた業界で、遠隔での状況把握を可能とし、自動で業務計画を立て、無駄のない働き方ができ、コストも削減可能等の面で、大きな価値を提供します。

札幌未来牽引企業創出事業(上場支援コース)で、伴走支援や学びを得て上場することで、強みを活かした事業拡張、新たな事業展開を目指しています。そして、全国各地にサテライトオフィスを設けながら、育てていただいた札幌市に事業成長という形で恩返しをしたいと考えています。

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未だ使われていないデータは、明るく豊かな未来を築く宝の山

「私たちの未来を考えた時に、まだまだ有益に生かせるデータが沢山あります。その多くはまだ、ビジネスとして十分に活用されていません」。そう語る多田社長にとっては、未活用のデータは眠れる宝の山。ゼロスペックは、その埋もれたデータをより正確なカタチで活用し、これまでにないサービスを提案することで、成長を続けていきます。

データに重きを置くとはいえ、「すべてをデータ任せにするのではなく、人的な経験値も大切。だからこそ、7~8割の自動化が理想」。データはあくまで“活用するための道具”であり、働く人々がより良い判断ができ、多くの無駄を省くことで楽しく仕事ができる社会環境を実現できたらいい。それが高齢化、人口減少に向かってつき進む現代に生き、働く人々の幸せにもつながる大きな力になることが期待されます。

「世の中をもっと明るく、豊かなものに変えることができないか。これから求められる情報サービスは何だろう」。多田社長は今日も様々なデータを掘り起こしては眺め、常に少し先の未来を想像しています。

企業ロゴ
ゼロスペック株式会社
エネルギー供給の効率化を実現し、ターゲット市場の労働生産性を向上させるSaas×IoTサービス「GoNOW」の提供
設立年:2015年
社員数:15名