世界観を共有できる人々と揺るぎない信頼関係を築く
私たちは、ものづくりには一切の妥協はしません。北海道で育まれた自然素材を生かし、地元のつくり手とチームを組んで最高のものをつくりたいと常に考えています。例えば家づくりで目指しているのは、10年後にも住みよく、美しい空間に育つ住まい。これを叶えてくれるのが、経年劣化でなく「経年美」を楽しめる道産木材をはじめとした自然素材と、創業時から受け継がれている大工の伝統技術です。
私は大学卒業後に飲食業界を経験したため、「地産地消」の考え方を家づくりに持ち込みました。木は風土に適応して生きているので、育った土地の木材を使うことで本来の力を建材として発揮してくれると考えています。使い込まれていくうちに、暮らしになじみ、新たな美しさが浮かび上がってくる住まいは、魅力的な表情を蓄えていきます。
そうしたものづくりを楽しむという世界観を共有できる住まい手と出会えること。そのつながりを大切にして、揺るぎない信頼関係が築けたと実感した時に、つくり手として強いやりがいを感じます。住まい手と培った絆は、家づくりに関わる社員にとってもかけがえのない宝です。
恵まれた自然を生かした街づくりで、北国の理想の暮らしを提案したい
現在、一般住宅やカフェの運営、北広島市の北海道ボールパークFビレッジ内の商業棟「THE LODGE」・グランピング施設「BALLPARK TAKIBI TERRACE ALLPAR」の設計・施工など、これまでの経験を生かしながら、小樽市の春香山に私たちが思い描く北海道の理想の暮らしを体験できる場をつくることにも挑戦しています。「山郷(さんごう)」と名付けた自然豊かなエリアには昨年、2棟のヴィラが誕生。これからさらにヴィラを増設し、レストランやライフスタイルショップ、アトリエなどを建設予定です。
この事業の展開によって、初めての宿泊業まで手掛けることになりました。これからも「山郷」で新しい冒険を重ねながら、北海道らしい暮らし方、私たちの世界観に触れられる体験型ショールームをカタチにしていきたいと思っています。
また、北海道での暮らしに憧れを抱き、札幌へのUターンやIターンを検討している方々の移住サポートにも取り組みます。弊社には、移住を機に入社した北海道好きな社員もおりますので、移住希望者に体験を交えながら具体的な情報を提供することで、お役に立てたら嬉しいですね。
北海道が育んできた森林と伝統技術を次代へ伝える
道産材を使用した家づくりをおこなっている弊社では、「森林保全活動」も実施しています。
木が育つための森林清掃など環境整備ボランディア活動への参加や、オリジナルのミネラルウォーターをつくり、売り上げの一部を森林保全活動に使っています。
また地域環境も経済も持続可能でなければ、豊かな未来を実現できないと考え「地域活性化」や「子どもたちの未来のため」の活動も積極的に応援しています。なかでも、近隣の小中学校生にモノづくりの楽しさ、素晴らしさを伝える大工の出前授業や職場体験、講話は私たちにとって大切な社会貢献事業です。
近年、大工をはじめとする建設業の職人不足が大きな問題になっています。未来の街づくりを担う子どもたちに大工という仕事の魅力や楽しさを伝えることは、私たちが培ってきた職人技術の伝承、後継にもつながる試みとして大切にしています。
社会に広く事業が認知されることで、自分の仕事に誇りが生まれる
三五工務店は現在、田中社長が社員と想いを共有しながら、次々と新しい事業に取り組んでいます。「でも、一般の方々にその全貌が認知されているという実感がありません。札幌未来牽引企業創出事業への参加は私たちの取り組みを多くの人に知っていただく絶好のチャンスだと思いました」と、田中社長。
また、多彩な事業展開が世の中により広く知られることで、社員にも自分の仕事と会社に今まで以上に誇りをもってもらえるのではないかと考えたといいます。
田中社長はこれまでの数々の取り組みでは得られなかった新しい価値と魅力が加わることで、事業もさらに大きく飛躍できると感じています。「結果として、弊社のモノづくりに関わってくれた地域のつくり手や企業の全てが豊かに潤い、札幌市へも経済的な貢献ができると確信しています」。