代表インタビュー

坂崎 雄一郎氏の写真
株式会社感動いちば付加価値向上コース
代表取締役 坂崎 雄一郎
豊かな北の食材を発掘し
生産者の想いを売る。
目指すは、北海道の宣伝部長

COMPANY PROFILE

坂崎代表が3人の仲間と共に脱サラで起業して18年、折込チラシを活用して北海道の農水産物を通信販売する「感動いちば」。
全国約2000店舗の新聞販売店と連携し、インターネットを見ないシニア層をターゲットにした折込チラシで、ネット販売とは一線を画する「BtoBtoC」の販売網を構築しました。

仕入れ担当者が厳選した北海道の旬の美味しさとともに、生産者の想いを全国へ届けています。

持続可能な取り引きで実現する、誰もが納得・幸せな循環

北海道でいいものをつくる生産者は、自分で売り先を選ぶことができます。私たちはモノづくりの姿勢に共感できる生産者から本当にお勧めしたいものだけを厳選し、適正な価格で買い取っています。決して、安売りはしません。

結果として、北海道の1次産業は潤い、良いものが届いたお客さまも喜び、取り次いだ販売店の信頼度も上がります。そして、最終的に販売で得た利益から札幌市へも税金を還元できます。

誰一人、悲しむことなく、みんなが喜び、私たちにありがとうと言ってくれる。その幸せな循環こそが、私たちのやりがいになっています。私たちの仕事には「これが正解」という答えがありません。だからこそ、全方向の信頼関係を大事に、モノではなく「想い」を売り続けたいと思っています。それこそが、私たちの社名の由来です。

写真1 生産者と連携した「オリジナル商品プロデュース」
写真2 「年越し海鮮福袋」アンケート集は、販売代理店や生産者のモチベーションに繋がっている。

お客さま目線で考えるこれからの価値とサービス

かつては50代以上の多くはインターネットよりも折込チラシで通販を利用していました。それが私たちの最初のビジネスモデルでした。

しかし、今ではスマートフォンやパソコンがシニアにとっても身近なツールになりました。その一方で、新聞を定期購読する家庭は減り、地域の販売店も減少傾向にあります。そこで、私たちは従来の折込チラシに頼る販売方法から一歩踏み出し、自社のECサイトをオープンすることにしました。

また、高齢の単身者向けに健康的で美味しいお惣菜のサブスクサービス、食材の味わいを生かす料理法の提案、さらにはエンドユーザーと生産者をつなぐ感動いちば独自のコミュニティづくりなども手掛けてみたいと考えています。お客さまの期待を超えるサービスが、付加価値をぐっと押し上げる力になると期待しています。

身の丈に合った支援活動を細く長く続けたい

私たちは「今さえ、自分さえ、お金さえ良ければ」という考え方と決別する事が、地域貢献への第一歩だと考えています。手がけているビジネスの中でできる、身の丈に合った活動こそが、持続力のある支援につながると思っています。

例えば、中国による日本産水産物輸入の全面的な停止の影響で販路が縮小した北海道のホタテを、独自企画で全国へ販売。また、近年は、道内の役場や商工会、農協漁協、生産者と協働し、地域の特産品の宣伝と販売を行う取り組みも行っています。
昨年は、役場や漁協の協力を得て、テレビ番組の通販サイトと協業し、オホーツクの海産物を番組内で紹介し、大きな反響を得ました。

今後は、こうしたメディアの力も借りながら、一次産業や町おこしを支援できるビジネスを
ささやかでも、長く続けていきたいと考えています。

写真3 販促プロデュース
写真4 まちおこし事業

ビジネスモデルを再構築して、もっと心を動かす企業へ

「津軽海峡の向こうからお金を連れてきて、大好きな北海道を元気にしたい。その一心で、事業計画もつくらないまま、猪突猛進でやりたいことだけをやってきた」と、坂崎社長はこれまでの歩みを振り返ります。
2006年の起業から、感動いちばは23名のスタッフと60社の取引先を抱えるまでに成長。20代から30代の社員が、ビジネスを取り仕切るまでになりました。「そろそろ未来へより良く進むための 計画の必要性を感じていた」とも話します。

そのタイミングでSAPPORO NEXT LEADING企業に選定。
「起業した当時と比べると社会情勢も大きく変化しています。札幌市の支援を受けながら、これからの時代にマッチしたビジネスモデルを再構築し、より社会から必要とされる企業に育てていきたい」と、坂崎社長は想いを新たにしています。

企業ロゴ
株式会社感動いちば
北海道物産の通販事業
設立年:2006年
社員数:23名