代表インタビュー

牧野 克彦氏の写真
アイビック食品株式会社付加価値向上コース
代表取締役社長 牧野 克彦
需要の変化に応じた革新、
地域にこだわった提案で
札幌経済をよりパワフルに!

COMPANY PROFILE

創業102年目を迎える釣具アウトドア総合卸売業から2002年に独立した食品製造会社。
だしやタレ、調味料などの委託および自社製品の製造を主軸に多彩な事業を展開しています。2021年には、顧客向けのキッチンスタジオ「GOKAN」をオープン。
近年は北海道の食材を生かした惣菜、菓子類などの製造販売にも取り組んでいます。

関わる全ての人の満足が、未来へ進む大きな力になる

私たちが委託を受けて製造しているものの多くは、観光や外食向けの商品です。
2020年から始まったコロナウイルス感染拡大で、私たちのお客さまも大きな影響を受けました。
厳しい状況下でも、何か売り上げアップにつながる支援をしたい。そこで、地元企業の協力を得て2021年にセントラルキッチンや撮影スタジオを備えた「GOKAN〜北海道みらいキッチン〜」をつくり、テイクアウトやECサイトでの販売に役立ててもらいたいとお客さまに無料開放しました。業界では恐らく前例のない取り組みでしたが、これまでに5000人の利用や見学があり、弊社工場の製造受注もアップしました。

地域に根ざす企業は、ビジネスに関わる皆が元気にならなければいけません。その成果が様々な形で現れ、地域にも貢献できたと実感できること。それが「やりがい」という、事業持続の力になっています。

写真1
キッチンスタジオ「GOKAN」

北海道に特化した自社製品で市場の「ニッチトップ」を目指す

超高齢化・少子化社会へ突き進んでいる日本では、これからますます市場が縮小し、大手メーカーや銀行さえ生き残ってはいけない時代がやって来るといわれています。私たちのような若く小さな会社は、どうしたら生き残れるのか。

先達や仲間と学びを重ねるなかで、北海道に特化したオリジナルの製品づくりで小さな市場のシェアを多くとる「ニッチトップ」こそが、目指すべきものだと気づきました。

これまで委託製造に力をおいた事業を展開してきた私たちにとって、自社製品を開発し、販売することは、ある種の遠慮がありました。しかし、これからの成長には社会のニーズにマッチしながら、委託製造品とはバッティングしない惣菜や菓子類、アイスクリームなど、より加工度の高い自社ブランド製品の拡充を進め、自社ECサイトや直営店舗での販売が不可欠。これが弊社の付加価値向上にもつながります。私たちが生き残る道をようやく見つけた気持ちです。

写真2
社内の棚には、自社製造している製品が並ぶ

より付加価値の高い製品を、独自の販路で直接届ける

2023年、札幌に本籍をおくアイビックグループが大手アウトドアメーカーと協働し、北広島市にオープンした体験型アウトドアショップ「キャンパーズアンドアングラーズ」は、代表的な直営店舗の一つ。

2024年4月には、敷地内に直営店舗第1号となるレストラン棟がオープンして、ジェラート、ピザ、コーヒーの飲食事業にも携わり、惣菜や菓子類、アイスクリームなどの自社製品の販売を行います。これに先駆け、ベジタリアンやハラル向けに農産物の下処理室も設けた新工場も開設しました。

今後は、地域と協働した連合体を組んで黒松内町や余市町をはじめ、道内各地に同形態の直営店舗を展開する計画も着々と進行中です。
自分たちで自社製品を売っていくチャンネルを増やすことは、札幌はもとより、道内各地域の経済と雇用にも役立つと考えています。

写真3
青空ゴチ飯ブランド“DELBE(デルベ)”

付加価値向上で大きく成長し後進に刺激を与えたい

アイビック食品のこれからの目標は、持続可能な企業への成長。 ボリュームゾーンを担う大企業ではできない、高付加価値なモノづくりを極めることを目標としています。

札幌市の集中的な支援を受けられる札幌未来牽引企業創出事業は、まさにこれからの成長への取り組みを深化させるためにぴったりだったといいます。「もし、札幌から世界へも羽ばたいたニトリのような成長を遂げられたら、札幌経済に多大なインパクトを与えることができ、それによって後進にも大きな刺激と希望を与えられると思うんです。」と、牧野社長は意欲的に語ります。

企業ロゴ写真
アイビック食品株式会社
たれ・だし・スープ調味料製造メーカー。北海道素材を活かしたOEM製品を得意とし、業務用から物販品を開発製造。その他、惣菜品・レトルト品も製造。北海道の食のDX拠点「GOKAN」施設を顧客へ無償提供。
設立年:2002年
社員数:52名